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installation art work

光樹ー祈りの空間ー Shining Tree in a sacred place

Shining Tree Gallery  / Shining Tree Tree movie

● 作品について ●

この作品は本年2011年に各所で発生した災害で犠牲となった方々への追悼のために制作されたものです。殊に日本では、巨大津波を伴う大地震がこの国土を襲い大きな痛手と悲しみを人々にもたらしました。私達MoNoはこの悲劇への哀悼の意を表現する場として、3万人を超える来場者数を誇るイルミネーションイベント「五感で楽しむ秋の草津路~草津街あかり夢あかり華あかり」への参加の機会を得て、歴史ある神社仏閣空間を会場とする「あかりART展」のプログラムとしてこの作品を制作公開することが出来ました。

このイベントは滋賀県草津市商工会議所が核となり催されるもので、第八回目となります。ここ草津は琵琶湖のほとりにある東海道五十三次の52番目の宿場町で、唯一に東海道と中山道が交わる交通の要所でありました。現在も多く残る神社仏閣や国指定史跡として再生保存されている本陣等から、この町の当時の隆盛ぶりをうかがい知ることができます。

このような地で平安時代に建立された「小汐井神社」の境内地にて、当作品は制作披露されました。作品は身の丈を超える「光の大樹」とその足元に配置される無数のキャンドルシェード「SaSa」とで構成されています。前者は神垂のように切り込まれた不織布を立体化したものにLED照明を仕込んだ装置で、神社の鳥居と神木を結ぶ動線上に数個が配され、空間軸を明確化して見る人々の想いを束ねます。後者は2010年仏国でのMoNo作品「UIGUMO-floating clouds」公開時に同時発表された笹をイメージした照明シェードをキャンドルバージョンにリメイクしたもので、「光の大樹」の周りに琵琶湖の水面をイメージして地面に広げられた不織布の上に計120個余りを並べました。来場者は空間内に設けられた小路に歩を進めながら、無数の灯りに包まれることが出来ます。一つ一つのキャンドルの灯は、悲劇により一瞬に消え去った街並みや人々の営み、そして遠くへと旅立った人達からのメッセージを表し、そして高く起つ大樹は残された私達の決意を象徴しています。祖先から受け継いできたこの信仰の神社空間に植生した光の草木達は、新たな歩みを始めようとする私達をその柔らかい光で優しく包みこんでくれたのでした。

< 概 要 > 

催 事 : 五感で楽しむ秋の草津路

第8回 草津街あかり華あかり夢あかり 

「あかりART展」

主 催 :    草津街あかり華あかり夢あかり実行委員会

場 所 :         汐井神社 境内地

滋賀県草津市大路2-2-33

期 間 :      2011年11月04日(金)~05日(土)

18:00~21:00